『くちづけ』神保町シアター
特集・川口家の人々の最終週だった。原作が大映の重役である川口松太郎。主演のカップルが川口浩と野添ひとみ、実際後に夫婦になる。川口浩の実の母である三益愛子が母親役で出演しているので、なるほど本当に一家勢ぞろいだ。
増村保造監督デビュー作である。
刑務所の面会所で、ひょんなきっかけから知り合ったカップルが、競輪場に行き大穴を当て、オートバイで江の島に行き、水着でローラースケートをしたりするなど、デビュー作からテンポの良い展開だ。
面白かったのは、三益愛子の母で、夫とは別れて宝石ブローカーみたいなことをやっている。息子は父親の保釈金の捻出のために10万円借りるが、返さなければ母の元にくる事を条件に貸してやる。息子は結局その金を野添ひとみの父親の保釈金に渡してしまうので返せなくなる。
三益は黒のサングラスをしていて、いつもの賢母のイメージとは違う。エリア・カザン監督の『エデンの東』のジームス・ディーンの母親を思い浮かべた。
最後は刑務所の前から息子と母の車に野添親子を乗せて走り去り終わる。
小沢栄太郎はまだ刑務所に残したままで・・・
S32('57)/大映東京/白黒/スタンダード/1時間14分
■監督:増村保造■原作:川口松太郎■脚本:舟橋和郎■撮影:小原譲治■音楽:塚原晢夫■美術:下河原友雄■出演:野添ひとみ、川口浩、小沢栄太郎、三益愛子、村瀬幸子
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2007/11/22
- メディア: DVD
- クリック: 12回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村