銀座シネパトス『黒い河』を観た。

米軍基地の街を舞台にした『どん底』だった。
ダニのような仲代達矢、強欲な家主の山田五十鈴、長屋の顔ぶれ嬉しくなる。
有馬稲子の崩れていくところも美しい。
この作品の公開は1957年。
黒澤明の『どん底』もこの年に公開されている。
同じような役を山田五十鈴は演じている。
しかし、山田五十鈴の銀歯の出っ歯メイクには驚いた。
仲代達矢は、この作品のような悪役がいいです。
主人公ともいえる渡辺文雄の大学生も正義感というのが前面にでなく、ちょっと屈折しているのが良い。
桂木洋子の情婦というのもなんか悲しさがある。
戦中派の小林正樹監督は毎度重いけれど、やはり見応えあり。
にんじんくらぶの作品も注目して観ていきたい。
昭和30年代はお宝いっぱい！
監督：小林正樹　脚本：松山善三　原作：富島健夫
出演：有馬稲子　渡辺文雄　仲代達矢　山田五十鈴
1957　松竹

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