Like a bird, like a cat, like a fish?

映画・落語・写真・ダイビングを中心としたお気楽人生ブログです。

今日はいちにち自宅で休息。
読みかけの石黒輝「死都日本」を読み終える。
異常気象、地震、土砂災害と立て続けにおこる現在の日本にはタイムリーかつ衝撃度の高い作品だ。ある意味では、「ノストラダムスの大予言」と「日本沈没」の洗礼を受けた中学生時代を思い起こした。
天災の規模が半端ではない。九州の霧島火山帯が破局噴火を起こし、一瞬にして九州地域は全滅、やがて日本全土も火山灰で覆われ、日本の繁栄は消滅する。
この未曾有の破局、カタストロフィは、日本書紀や黙示録にも記されている。火山の噴火こそ世界的な破局をもたらすものとしては最大のものであると作者は力説する。
火山と地震国である日本は、明日来てもおかしくないリアリティで迫る。
そして、この破局に日本人はどう乗り越えていくのか。日本脱出しかないではないかと思うが、作者は日本の首相に超人的なリーダーシップを与えて、この破局こそ、すべてを薙ぎ払ったあとに残る、新世界への入り口にしようと語らせる。
すこし、強引な世界観が見えるが、現実でなくて良かったと思わせる上級の大作パニック映画をみたような読後感が残る。
死都日本