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「ネバーランド」別れについての映画

銀座で仕事帰り時間が出来たので「ネバーランド」と「五線譜のラブレター」を観る。
どちらも「別れ」についての映画だった。
ネバーランド」は、ピーターパンの作者ジェームス・バリのピーターパンの誕生秘話を描いた作品だ。ピーターパンのモデルとなる少年とのふれあいを描くとなると、少年愛や大人になれない大人子供など悪イメージもあるのだが、この作品は逆に子供から大人になることの意味について理知的に描いている。つまり、バリは、母のお気に入りの兄が若くして亡くなり、ずっと落ち込んでいる母に、自分がいることを知ってもらいたいため兄の真似をした、そのとき自分が大人になった瞬間だと少年に語る。少年も肉親の死という現実に立ち向かい、子供から「別れ」大人になるのだ。子供時代の両親、兄弟と過ごした思い出を「ネバーランド」という永遠に忘れぬ心に残して。
誰もが通過せざるを得ない、いろいろな「別れ」について想起させてくれる秀作だ。
マーク・フォスター監督は前作「チョコレート」を観たときも随分厳しい描き方をする監督と思ったが、監督自身も兄が18歳で自殺した経歴があるとのことで、充分大人になるのが早かったのかと納得した。
実際のバリと少年たちの家族との関係は、映画に描かれていたのとはかなり時系列が違うことをパンフレットで知った。かなり創作が入っているのでがっかりする反面、映画としての作品性は高いということか。
主演のジョニー・デップアカデミー賞候補と言われているが、いろいろ出て快進撃中。ロパート・テ゛・ニーロのように出過ぎにならなければいいのだが・・・。
ロアルド・ダールの最高傑作「チョコレート工場の秘密」をティム・バートン監督で映画化し、あのウィリー・ワンカになるのだから、これ以上の配役はないように思える!!
「五線譜のラブレター」についてはまたの機会に記す。