Like a bird, like a cat, like a fish?

映画・落語・写真・ダイビングを中心としたお気楽人生ブログです。

『her/世界でひとつの彼女』ヒューマントラストシネマ有楽町

観終えてから地下鉄でスマホを見ている自分、まわりの人たちをみても皆スマホを見ている。
この風景は主人公の姿と変わらないではないか。
主人公はボクだったか。
元妻のルーニー・マーラーが主人公の言動で豹変して怒り出すのはひとごとに思えなかったな。
この映画は、おそらく女性には好まれない映画であろう。

人口知能型OSのサマンサが主人公の性格や生活まですべて把握し、忠実に尽くすあるいは慰められることになればこれは心地よいことではないか。
A.I.(人口知能)が自己発展して脅威になっていくというのがSFの定番のようなものだが、人間の愛情を理解(?)し相思相愛になるというくせ球をだしたのは、スパイク・ジョーンズらしい。
冷静に考えればサマンサは、人間をだますことなどたやすいことであり、あり得ないお話だ。
だから、どのような結末を迎えるかと思ったが、擬人的な失恋物語のような終わりで拍子抜けした。
日経夕刊の映評に夏への扉」や「幼年期の終わり」などの古典的SF小説を読んだ時の瑞々しい驚きと感動を思い出したと評者は書いていたので期待したのだが、期待し過ぎた自分が悪かった。