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落語教育委員会 @中野zeroホール/4月6日

この日の柳家喬太郎師匠の「子別れ」凄かった。
「子別れ」は上・中・下からなるこの人情噺の大ネタなのである。
あまり演じられない上から始まったので、じっくり今回は古典にチャレンジと思いました・・・
大工の熊五郎は腕はいいのだが、仕事は嫌いで酒と女にうつつを抜かし、とうとう女房・子供を追い出して
女郎を身請けしたはいいが、長続きしない。しまったと後悔するが後の祭り。
という上、中をさらりと進め、捨てた女房の子どもの再会という下に入っていく。
この息子の亀吉の登場でがらりと変わっていく。
本来の「子別れ」では、この亀吉はいじめられっ子でおとなしい。
いじめられてメソメソした亀吉を母親が叱り、いじめた子にやり返せというが、
いじめた子が母の内職の得意先の子どもということで我慢しなさいと前言がひっくり返されるなど母子家庭の悲哀が描かれたりする。
ここが親子の再会で人情噺の核心に入っていくのだが・・・
ところが、ところが亀吉はとにかく弁が立つ。
熊五郎と会ってもまったくたじろがず、熊五郎をだらしのない父親として諭していく。
大人以上に分別のある亀吉の言い様に場内大爆笑!
なるほど母子家庭で育ったことで、たくましく自立した子どもであってもおかしくはない。
子どものキャラクターから別の子別れとして描く喬太郎ワールドが展開されていく。
古典を新解釈で新作落語のようであるが、鰻屋の件もきちんとあり、古典を崩すことはない。
なによりも亀吉はしっかりした子どもではあるが、子どもは子どもらしく家族の再出発をうれしく思っている。
子は“かすがい”というオチの本筋は守られている。
古典と新作の融合が新境地なのか。
身体つきもひと回り貫禄がつきましたね。
オープニング・コント
真田小僧」 三遊亭美るく
「安兵衛狸」 三遊亭歌武蔵
 −仲入り−
「だくだく」 柳家喜多八
「子別れ」  柳家喬太郎 

喬太郎師匠の「子別れ」は圧巻だったが、喜多ハ師匠の「だくだく」も師匠のいつも投げやりさと相まって楽しかった!
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