原節子『お嬢さん乾杯!」
『お嬢さん乾杯!』銀座シネパトス
原節子をいまの視線でみると美女と言えるのかな?
この作品でも、表情や言葉やしぐさはこの世のひととは思えないところがある。
佐野周二の主人公にも同情する。
ラストシーンもハッピーエンドには思えない。
たぶん二人はうまくいかないでしょう。
原節子のおかれている立場が、没落した華族(父親は詐欺に担ぎ出されて監獄入り)ということで、
「家城家の舞踏会」(監督/吉村公三郎・1947・松竹)とかぶるところがある。
戦後直後の階級社会の崩壊は日常だったのだろう。
佐野周二が喜びのあまり、佐田啓二をバイクの後ろに乗せて、市街地をくるくる回るシーンがある。
スタントなしで、本人がやっているところに時代の大らかさを感じた。
脚本は新藤兼人だった。近頃、新藤兼人はつくづく凄い人だと思う。
監督 木下惠介/脚本 新藤兼人/撮影 楠田浩之/音楽 木下忠司
出演 原節子/佐野周二/青山杉作/東山千栄子/佐田啓二/村瀬幸子
1949・松竹
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