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「宇宙戦争」日劇1

全世界公開同時封切りの初日。
ネタバレ注意。
今年の2大SF映画大戦争の「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」とこの「宇宙戦争」を早くも観てしまい。少し寂しいミーハーなおじさんです。
極秘内容だったこの作品、とは言ってもH・G・ウェルズの有名な原作であるし、SF古典映画として有名な「宇宙戦争」(1952)のリメイクである。
だから、初日に駆けつけるような観客は、ハリウッドの最新技術を駆使した誰もが観た事のないアメージングでスペクタルな映像を期待する。
果たして、どうだったか?
今回の作品を一言でいえば、スティーブン・スピルバーグの「恐怖の総和」だ。
侵略される、住むところがなくなる、家族が引き裂かれる、人が簡単に殺される、あらゆるものが破壊されるという恐怖!恐怖!恐怖!
人が人生のなかでこんなような結末を望みたくないという人類の終末的風景を描く。
旅客機の墜落現場や燃えながら走る特急列車、転覆するフェリーなどパニック映画のすべてを見せる。
しかし観客はあるリアルさに連想してしまう。21世紀の現実にある「9.11テロ」や「イラク戦争」「スマトラの大津波」を目撃している映像だ。
トム・クルーズが父親役をやり、10歳の娘ダコタ・ファニング(素晴らしい!)に恐怖の本質を目撃させる。娘を守るために人を殺してしまうのだ。(実際には目隠しをさせて目撃していない)ここにスピルバークは力点を置いた。評価の分かれどころだ。
ゆえに、かつての「未知との遭遇」や「E.T.」との作風とは真逆の描き方だ。
最先端の映像を観たということには、申し分ない。侵略するトライ・ポッドの造型と破壊力には圧倒される。はっきり出てくるエイリアンは「ID4」や「サイン」のエイリアンと同じではないかと賛否を呼ぶだろうが、私は許そう。エイリアンの登場する地下室のシーンは、オリジナル版でも有名なシーンだが、ろくろっ首のようなサーチアイが怖い。ここら辺の演出は、恐怖の演出を楽しんでいる。最初の車での逃走シーンにも「どうやって撮ったか解るかい」という演出がある。
すでに「ID4」という映画があるので、国家的な見地で大統領が出て来たり、世界中の様相描く、という事をあえて避けて、トム・クルーズの親子の逃走劇にしたのも作品としては成功している。
しかし、「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」は悲劇的な結末だか、拍手喝采なのに対して、「宇宙戦争」はハッピーエンドなのにすっきりしない。
このテイストは、世界興行でどこまで受け入れられるか?