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「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」 ヒューマンtラストシネマ有楽町

ジョン・レノンが暗殺された日をよく覚えている。
衝撃的な事件や出来事は、その時の行動を鮮明に記憶していることがよくある。
ましてやジョン・F・ケネディの暗殺の現場にいた人たちにとっては・・・
その出来事によって人生が大きく変わっていくことになった。
この映画はそれぞれの立場でのその時の現場が再現された作品だ。
だが単なる再現ドラマに陥らず、またよくある犯人探しの謎に迫るものではない。
アメリカ大統領のケネディ暗殺は、アメリカ王国のキングの死である。
王国の夢、失ったものへの大きな喪失感と未来への不安が日を追って覆ってくる展開が巧みだ。
暗殺犯とされるオズワルドが撃たれ、救命にあたるのがケネディの時と同じ病院スタッフだった。
オズワルドと数日前に接触した地元FBI捜査官の動揺と証拠隠滅。
オズワルドの兄や家族の現場での状況が描かれ、弟とケネディとの葬儀との対比が哀れを誘う。
知られざるエピソードが興味深く描かれていた。
ジャクリーン夫人が夫の暗殺時に恐怖のあまり車から逃げ出そうとした説を取らず、
夫の飛び散った頭蓋骨をかき集めた行動であるとしっかり描いたところが、製作スタッフのケネディ家に対する敬意とみた。