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『はじまりのみち』東劇

木下恵介生誕100年プロジェクトとしてこの作品は誕生した。
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』などの作品でアニメ監督として著名な原恵一による、実写映画初監督作品。
木下恵介が戦時中に作った『陸軍』のラストシーンが軍部に女々しいとクレームがつき、監督としての道が途絶え、
故郷に帰り、実家から病弱の母をリヤカーに載せて疎開先の田舎へ長い道をたどるというストーリーだ。
木下恵介の残した短いエッセーによる実話を元にしたものだ。
そこに木下恵介の精神と時代背景との葛藤が描かれる。
荷物を運ぶために雇われた名もなき便利屋の濱田学の存在が木下恵介演ずる加瀬亮を引き立てる。
過去の作品を回顧上映で一定期間だけ取り上げるのでなく、思いを込めて新作映画を創り、リスペクトすることを高く評価したい。
ただ残念なのは、ラストの木下映画のオンパレード。
選ばれた作品がどのような理由で選定されたのかがわからない。