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第13回東京フィルメックス 木下恵介生誕100年祭 @東劇

『笛吹川』をようやく観た。
黒澤明木下恵介はずっと対比されていたが、『影武者』を撮っている時にこの『笛吹川』を黒澤監督は意識してなかったか?
変わった画面の着色がまるで『影武者』の絵コンテのようだ。
ともに武田家滅亡を描くが視点が全く違う!
画面に異様で大胆な着色をさせた木下恵介監督の実験精神は大したものだ。
武田家の滅亡に翻弄される百姓一家だが、最期まで主従関係に従うもの、武士の非情さに怨みをもつもの、反戦思想というより歴史に根ざした日本人論を感じた。


それにしても高峰秀子の娘から老婆までの一代演技に圧倒される!
織田政雄の百姓のお父ちゃんも絶品、加藤嘉のじいちゃんは悲しいなぁ。
岩下志麻はほとんどセリフが与えられなかったぞ。
田村高廣がひとり取り残されて、笛吹川の川面に揺れる信玄旗を眺めるラストは『影武者』じゃん

木下惠介生誕100年 「笛吹川」 [DVD]

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