志らくのピン 古典落語編 渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール
「二階ぞめき」
「天狗裁き」
−仲入り−
「品川心中」
マクラで映画の話。
最近の映画は外れが多いのでもっぱら昔の映画を観ているという。(アチキと同じ)
最近ダメだった映画がバットマン!
「ダークナイト ライジング」のことなのだが、シリーズで観ていないので、クリスチャン・ベイルがバットマンと判らなかったとか。
確かにバットマンは覆面をしての登場だから誰なのかわからない。
良いことをしているのになぜ覆面をかぶるのかもわらないとか。
そういえば、談志師匠もスーパーマンは評価していたが、バットマンはダメと言っていたゾ!
談志のDNAか!(談志映画話・朝日新聞出版刊)
演目では「品川心中」を上下通しで行った。
お染と金蔵のイメージはやはり「幕末太陽傳」の左幸子と小沢昭一を思い浮かべてしまう。
古典落語の特に廓ものは、映画であっても知っておいた方が良い。
「幕末太陽傳」は、落語ネタ満載の名作だからありがたい。
最近、古今亭志ん生のCDで「五人廻し」を聞いて、その廓の説明に舌を巻いた。
実体験者だからこその表現に説得力がある。
これからの噺家さんは、噺家自身が相当に研究していかないと古典落語は生き残らないのではないか。
廓の説明だけでも大変だし、説明したところで理解不明なところがあるのではないかと思う。
落語は仮想世界を客の脳に移植する作業なので、噺家の想像力が客を圧倒しなければならない。
ということで、志らく師匠の古典落語は背景描写は置いといて、人物描写で押しまくる。
金蔵の下手な駄洒落好きという性格が、くすぐりになって笑いをつなげていく。
今回の「品川心中」は、なかなか聞けない通しが聴けて良かった。
金蔵の復讐として、お染が坊主にされて「死にたい」というと、金蔵もまたつれられて「おれも一緒に死ぬよ〜」というサゲであった。
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