『Virginia/ヴァージニア』 ヒューマントラストシネマ有楽町
コッポラ版『世にも怪奇な物語』だが、脚本は誰か別の人が良かったのではないだろうか?
『地獄の黙示録』でも傾向としてあったが、主人公の混沌がコッポラ自身の混沌になっている。
コッポラは、ハリウッドの喧騒から離れて、ヌーベルパーグ派のような独自の作家主義を貫いていくのか。
自身の出自であるロジャー・コーマンのB級ゴシック・ホラー映画のテイストを持ちながら、敬愛するエドガー・アラン・ポーを登場させて、主人公の苦悩の解放を模索する。
実はコッポラは、息子をポート事故で亡くしており、その苦悩がそっくり映画の中で表現されている。
幻想と怪奇の中にコッポラ自身の苦悩を封印するかのようだ。
モノクロームタッチにほのかにカラーを入れた映像は、『ランブルフィッシュ』からの好みのスタイルになっている。
デジタルシネマの到来をいち早く預言していたコッポラならではの原点返りなのか。
※『ワン・フロム・ザ・ハート』の頃、デジタルシネマとは言わず、エレクトリックシネマと言っていた。フィルムの不要を早くから唱えていた。
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