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映画・落語・写真・ダイビングを中心としたお気楽人生ブログです。

「喬太郎の古典の風に吹かれて6」 らくご@座紀伊國屋

柳家喬太郎が敬愛する先輩師匠をゲストとする噺と芸談ショー。
今回は人間国宝一龍斎貞水師匠が招かれた。
落語「仏馬」 柳家喬太郎
初めて聴く噺だった。
檀家まわりで酔っ払った坊さんが、帰り道にちょうど繋がれていた馬を見つけ、荷物が重いのでこの馬に乗せて小坊主に帰らせる。
坊さんは、そのまま寝込んでしまう。
すると馬の持ち主である百姓が戻ってくる。
馬がいないことを坊さんに尋ねると、坊さんは、仏罰により馬にされていたのだが、人間に戻されたという・・・
講談「村井長庵」一龍斎貞水
怪談かと思ったが、怪談噺に近い大岡政談ものであった。
貞水師匠の解説によると大岡越前には三大宿敵がいて一人は天一坊。
これは先日観た映画『百万石に挑む男』(中川信夫監督)で描かれていた徳川家のご落胤騒動の天一坊だ。
もうひとりは聴きそびれた。(誰であるか後で調べよう)
そして、今回の村井長庵という偽医者とのことである。
この講談では、村井長庵の極悪非道ぶりだけでなく、長庵に弱みを握られた手下の三次が妹殺しをするところをたっぷり描く。
場内は徐々にうす暗くなっていき、殺しの場面では、釈台から雷の稲光が貞水師匠の顔に照らしだされる。
火の玉も登場したり、演出サービスは落語と違って大サービスであるが、毎回このような演出であると貞水師匠の身体に悪いのではないかと思ってしまった。
−仲入り−
「貞水・喬太郎対談」

お二人は、高校演劇で全国を周り、時に一緒になることもあるそうだ。
人間国宝と人気No.1の噺家という贅沢な観劇教室を高校はやっているものである。(うらやましいぞ)
講談と落語の違いを喬太郎が尋ねると、違いはないとあっさり答える貞水師匠。
昔行ったキャバレー怪談や名跡の由来など話が弾み、人間国宝でありながら気さくな人柄を知った。
落語「粗忽の使者」柳家喬太郎
さすがに怪談噺はやらなかった。(ちょっと期待したが)
明るく大笑いの噺。
粗忽の使者、治武田治武衛門も可笑しいが、大工の留っこの登場もキャラクターが面白すぎて大爆笑の一席だった。