『鰯雲』@神保町シアター
見逃していた成瀬巳喜男作品を観賞する喜び!
農家の話なので最初は東北の方が舞台かと思ったら、江の島が出てきた。
なんと舞台は厚木や秦野あたりだったのだ。
田んぼの中をロマンスカーがメロディーを流しながら走るシーンあり!
半世紀も前になるが、神奈川と東京との距離がこんなにも離れているとは・・・
木村功との不倫の関係になる淡島千景が登戸のボート乗り場(多摩川による県境)で別れを決意するのが象徴的。
最初は解りにくかった人間関係だったが、見ているうちに戦後の世相と価値観の転換が見事に整理されて描かれていることがわかっていく。
それにしても淡島千景と新玉三千代の美しいこと、艶っぽいこと。
淡島千景は戦争未亡人なのだがもどうみても大地に生きる農家の主婦ではない。
きっと姑が亡くなってから、高度経済成長とともに土地で大儲けしていくと思う。
そんな高度経済成長直前の見事な映画だった。
製作 藤本真澄 / 三輪礼二 監督 成瀬巳喜男 脚本 橋本忍 原作 和田傳 撮影 玉井正夫 美術 中古智 / 団真 音楽 斎藤一郎
出演 淡島千景 / 中村鴈治郎 / 木村功 / 小林桂樹 / 新珠三千代 / 杉村春子 / 水野久美 / 司葉子 / 飯田蝶子 / 加東大介
1958年 東宝映画
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2005/07/22
- メディア: DVD
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