Like a bird, like a cat, like a fish?

映画・落語・写真・ダイビングを中心としたお気楽人生ブログです。

『淑女は何を忘れたか』@神保町シアター

小津安二郎監督のチャーミングな戦前のコメディー。
これもDVD化されていない。
小津組のおなじみ斎藤達雄が気のいい大学教授でしっかりものの妻が栗島すみ子。
(栗島すみ子は戦前の大女優と言われるがなかなかお目にかかれない、戦後復帰した成瀬巳喜男監督の『流れる』は貫録!)
飯田蝶子は上流家庭のマダムとして、栗島とのザアマス言葉の談義がおかしい。
圧巻は関西からやってきた姪(桑野道子)の現代っ子ぶり。
いつの時代も怖いものなしの若い女性に大人の男はたじたじ。
妻の目の届かないところで、うだつの上がらない叔父さんを小突くしぐさが可笑しい。
姪っ子が台風のように過ぎ去って、夫婦二人の関係に活気を与えた証のラストシーンがなんともモダンだ。
桑野道子は、60年代に活躍した女優、桑野みゆきのお母さんだが、戦後直後の溝口健二監督作品『女性の勝利』の最後のワンカットを残して、緊急入院する。
そして子宮外妊娠で死亡という31歳の生涯だった。

S12('37)/松竹大船/白黒/スタンダード/1時間11分
■監督:小津安二郎■脚本:伏見晁、ゼームス槇■撮影:茂原英雄、厚田雄春■音楽:伊藤秈二■美術:浜田辰雄
■出演:栗島すみ子、桑野通子、斎藤達雄佐野周二飯田蝶子、吉川満子、坂本武
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