〜中川信夫の全貌〜@シネマヴェーラ渋谷
『東海道四谷怪談』と『八百万石に挑む男』の二本立て
『東海道四谷怪談』は、云わずと知られるジャパニーズ・ホラーの古典的名作。
ストーリーそのものが人間の強欲についてしっかりした骨格を持っているから、スタイリッシュな映像に引き込まれる。
なにより伊衛門の天知茂が優柔不断な悪人なのだが、時に気弱な良心の呵責の表情をみせるのが良い。
天地茂の血肉によって、この映画は怪談映画の名作として命が吹き込まれた。
中田秀夫監督の『怪談』(2007)は三遊亭円朝の真景累ケ淵の映画化だがこの映画の影響が色濃く表れている。
『八百万石に挑む男』 脚本は橋本忍
大岡政談のひとつなのか、あまりにも重厚な内容に感服した。
歌舞伎、講談、落語、説話等の教養があればと思い知る。
将軍のご落胤を巡る野望と挫折、チャンバラのない市川右太衛門と河原崎長十郎の堂々たる台詞廻しによる対決!
現代社会にも通ずるピカレスクロマンだった。
野望の果てに、不幸な生い立ちの中村賀津雄に本懐と覚悟を諭す市川右太衛門に父子以上の絆を抱く。
堂々たる敗北の美学!
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