Like a bird, like a cat, like a fish?

映画・落語・写真・ダイビングを中心としたお気楽人生ブログです。

『鉄路の白薔薇』フィルムセンター 

昨年9月のフィルムセンターでの上映では数人前で定員に達して涙を飲んだ。
今回は一時間前から待ったが全然空いていた。
フランス映画の巨匠アベル・ガンス監督の『鉄路の白薔薇』は、サイレント映画の名作で知れ渡っている。
ずっと昔に『ナポレオン』※を観たイメージがあったのでスペクタクルを期待したが正直拍子抜けした。
160分の長尺であり、最初に27歳で逝った妻に捧げている。
列車事故で孤児となった少女を自分の息子と一緒に育てる機関士
やがて少女が美しく成長し、息子共々に恋心を抱くようになるというちょっとアブノーマルなストーリー展開だ。
蒸気機関車の車輪やレールのクローズ・アップが細かく編集されて回想に描かれる。
このフラッシュバックの効果などが若き日の黒澤明の創作の原点になったのか。
終盤のモンブランの山岳シーンが忘れがたい。
結局、冒頭の列車事故から悲劇が始まり、最後まで登場人物の誰もが幸せになれない。
機関士が臨終の際におもちゃの機関車が手元から落ち粉々に壊れる。

アベル・ガンス監督の超大作『ナポレオン』は、フランシス・フォード・コッポラの尽力で復元されオーケストラ付きで世界興行を成功させた。
その時アベル・ガンスは、92歳で健在だった。
映画技法を駆使した映像とフランス国旗に着色した3面マルチ上映は、今思い起こしても見事なイベント上映であった。
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
にほんブログ村 映画ブログ 映画日記へ
にほんブログ村
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
にほんブログ村
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村