『純愛物語』−生誕百年　映画監督　今井正−　フィルムセンター

今井正監督×水木洋子脚本の最強コンビの名作。
『また逢う日まで』の甘さに比べればこちらの方が数段胸を打つ。
今井正監督の冷徹かつ非情さが不幸の本質を突く。
55年も前の作品になるが被曝によるぶらぶら病や差別が描かれている。
本人が気づかぬうちに進行する放射能汚染の恐ろしさ。
過去の出来事とはすまされない災禍がオーバーラップする今の日本。
原発、放射能許せねー！
'57（東映東京）（監）今井正（脚）水木洋子（撮）中尾駿一郎（美）進藤誠吾（音）大木正夫
（出）江原眞二郎、中原ひとみ、岡田英次、木村功、加藤嘉、宮口精二、東野英治郎、楠田薫、小林トシ子

〜余録〜
1950年代のキネマ旬報ベストテンをピックアップするとこの二人の仕事ぶりは際立つ！
≪今井正監督篇≫
1949年　『青い山脈』（2位）脚本/今井正・井手俊郎　
1950年　『また逢う日まで』（1位）脚本/水木洋子・八住利雄　
1951年　『どっこい生きている』（5位）脚本/岩佐氏寿・平田兼三・今井正
1952年　『山びこ学校』（8位）脚本/八木保太郎
1953年　『にごりえ』（1位）脚本/水木洋子・井手俊郎　『ひめゆりの塔』（7位）脚本/水木洋子
1955年　『ここに泉あり』（5位）脚本/水木洋子
1956年　『真昼の暗黒』（1位）脚本/橋本忍
1957年　『米』（1位）脚本/八木保太郎　『純愛物語』（2位）脚本/水木洋子
1958年　『夜の鼓』（6位）脚本/橋本忍・新藤兼人
1959年　『キクとイサム』（1位）脚本/水木洋子
1961年　『あれが港の灯だ』（7位）脚本/水木洋子
1962年　『にっぽんのお婆ちゃん』（9位）脚本/水木洋子

≪脚本/水木洋子篇≫
1949年　『女の一生』（7位）監督/亀井文夫
1950年　『また逢う日まで』（1位）監督/今井正
1952年　『おかあさん』（7位）監督/成瀬巳喜男
1953年　『にごりえ』（1位）監督/今井正　『あにいもうと』（5位）監督/成瀬巳喜男　『ひめゆりの塔』（7位）監督/今井正
1954年　『山の音』（6位）監督/成瀬巳喜男
1956年　『浮雲』（1位）監督/成瀬巳喜男　『ここに泉あり』（5位）監督/今井正
1957年　『純愛物語』（2位）監督/今井正
1958年　『裸の大将』（9位）監督/堀川弘通
1959年　『キクとイサム』（1位）監督/今井正
1960年　『おとうと』（1位）監督/市川崑
1961年　『あれが港の灯だ』（7位）監督/今井正
1962年　『にっぽんのお婆ちゃん』（9位）監督/今井正
1964年　『怪談』（2位）監督/小林正樹　『甘い汁』（8位）監督/豊田四郎