今日は神保町シアターで成瀬巳喜男、小津安二郎、伊藤大輔、稲垣浩とどっぷり巨匠たちのサイレント映画に浸る。
生演奏付きは贅沢の休日のリクラゼイション！
『限りなき舗道』成瀬巳喜男 S9('34)／松竹蒲田／白黒／スタンダード／1時間27分
交通事故が取り持つ縁というのが統治としては珍しいのではないか。
成瀬映画は、「女の座」「ひき逃げ」「乱れ雲」など交通事故の題材が多い。
結局これの作品も夫は交通事故で危篤になるのがクライマックス。
主人公の生き方が成瀬映画の神髄として楽しめた。
戦前の銀座の街並み、風俗も見どころだった。
成瀬監督のサイレント映画最後の作品。松竹に小津は二人いらないとしてこの作品を最後に松竹を去った。
『大学は出たけれど（短縮版）』小津安二郎 S4('29)／松竹蒲田／白黒／スタンダード／12分
『落第はしたけれど』小津安二郎 S5('30)／松竹蒲田／白黒／スタンダード／1時間5分
共に田中絹代の可憐な姿が観られる作品。
笠智衆の大学生役という時代である。
『斬人斬馬剣』伊藤大輔 S4('29)／松竹京都／白黒／スタンダード／19分
サイレント映画で映画の手法はすべてやり尽くしたを実感する。
月形龍之介の動きと馬の躍動感に震えた！
『隠し砦の三悪人』あの乗馬シーンは黒澤明の原型にして模倣であることに驚愕だ！
『諧謔三浪士』（タイトルクレジット『豪快三浪人』）稲垣浩
S5('30)／片岡千恵蔵プロ／白黒／スタンダード／44分
千恵蔵プロとあるがNKマークの日活印が見れた。
若き日の千恵蔵様の天晴れな美男子ぶり。
『三銃士』を基にしたとあるが、映像の創意工夫がラストまで見事でサイレント映画の円熟ぶりは目を見張る。
『浮草物語』小津安二郎 S9('34)／松竹蒲田／白黒／スタンダード／1時間26分
小津安二郎の最上の映画を最高の映画環境で観賞する。
ピアノの伴奏が素晴らしかった。
出演者の坂本武、飯田蝶子、三井秀男(弘次）、坪内美子、八雲理恵子(恵美子)の素晴らしい配役陣。
特に飯田蝶子のセリフはサイレントだが心には聞こえた。
至福の喜び！なんだか心が清められた〜
