Like a bird, like a cat, like a fish?

映画・落語・写真・ダイビングを中心としたお気楽人生ブログです。

『ルート・アイリッシュ』銀座テアトルシネマで鑑賞

ケン・ローチ監督の渾身の怒りを込めた告発!
イラクの首都パクダットの中には欧米人を守るためのグリーン・ゾーンという隔離された完全な安全地帯が儲けられている。
但し、そのグリーン・ゾーンと空港を結び行き交う道路が大変危険な道。
その道のことを「ルート・アイリッシュ」と呼ばれている。
その「ルート・アイリッシュ」で起こった事件はなんだったかを描く。



軍事産業の民営化拡大でイラク戦争終結なぞは嘘っぱち。
イラク戦争後の統治を軍隊が管理するのはコストがかかることと表立った行動ができないので民間の企業に任せているのが実態だ。
代行請負の警備会社は、その報酬として人件費(傭兵)や機材(兵器備品)を高額な請求額にして国と取引している。
かなり危険な作業であるから儲けも大きい。
民間企業といっても武装した軍需産業であり、武力制圧には変わりない。
現地では無法がまかり通り、欧米諸国の首脳は見て見ぬふりをしている。
恐ろしくおぞましい現実を劇映画としては初めて映画化されたのではないだろうか?

映画の主人公は、「ルート・アイリッシュ」で起こった友人の死を探りながら、
自分自身も過去に同様の仕事についたことで戦場ストレスを抱えている。
主人公が事件の真相を探るためには拷問もためらわないところは、加害者としてイラクで市民に対してやってきたことでもある。
拷問で得たこと証言が、本当の真実であるかわからない皮肉な結末になってる。
一方的な告発でなく、米国もイギリスも加害者であることを描く。
戦争こそ最大のビジネスチャンスと群がる国家の犯罪を問う、ケン・ローチ監督のぶれない気骨はさすがだ。

「戦場の掟」はお勧め本
民間軍事会社の実態とそこで勤務して行方不明になった若者を追ったルポルタージュ
ブラック・ウォーター社のことはこの本で知った。

戦場の掟

戦場の掟

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
にほんブログ村 映画ブログ 映画日記へ
にほんブログ村
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
にほんブログ村
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村