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『黒井健 絵本原画の世界』展 松屋銀座 

展示会の冒頭に
ー 銀河鉄道に乗り 彼岸に去った 東北地方人たちの御霊に 黒井健 ー 
とある。
宮沢賢治の世界をこよいなく愛し、絵本にして描いてきた人だからこその思いであろう。
画業40年の節目の年の展示会ということだが、二度目の観覧になる。
最初は5〜6年前に茨城を旅していたときに、たまたま立ち寄った茨城県天心記念五浦美術館で黒井健の展示会が開催されていた。
明治の日本美術院の主催者であり、思想家である岡倉天心の美術館である。
その近くの海岸にある天心の住居敷地にあった観光名所の五浦六角堂も東日本大震災で流失してしまった。


色鉛筆やパステルを使った独特の繊細なタッチである絵本はすでに200冊以上にのぼる。
ほのぼのとした温かな作風だが暗やみの深さや自然の中の静寂感も魅力である。
今回の原画展示でコメントを読むと、絵本の依頼があってから完成するにあたっては3年から10年もかかる場合があることを知った。
絵本の世界は奥が深い。
  

  
新美南吉の「ごんぎつね」「手ぶくろを買いに」のきつねの絵のタッチのいとおしさよ。
「手ぶくろを買いに」の街のモデルが神保町界隈だったのか。
そう言われればなるほど思い当たる。