Like a bird, like a cat, like a fish?

映画・落語・写真・ダイビングを中心としたお気楽人生ブログです。

『ヒューゴの不思議な発明』を『戦火の馬』に続き観賞した。

両作品は、少年、少女が主人公ではあるが、共に映画史に対するリスペクトがあり、単なる子供向けの映画ではない。
(映画化のきっかけは娘との会話がきっかけであることは共通している)
マーチン・スコセッシ監督はかねてからフィルムの保存を訴えていたことから、映画の後半では涙が止まらなかった。
なぜなら奇想天外なトリック映画を開発したサイレント映画の魔術師、ジョルジュ・メリエス(1861〜1938)の晩年と映画がシンクロするからだ。
メリエスはマジシャンだったが、映画の誕生に出会ったことで、映画そのものがマジックであることを発見する。
そしてマジシャンから映画監督兼プロデューサーに転身する。
フィルムのカット、カットのつなげ方次第で観客を驚かせるトリック映画を次々と発表し、観客の喝さいを浴びる。
しかし、人々の関心も続かず、フィルムは第一次大戦の戦争の原料に徴用されて消えていった。
映画の興行師としての才覚は得意ではなく、忘れられた存在としてフランスのリオン駅で細々ながら店をやっていたという。
映画界の光と影は数多くあるが、スコセッシはこのメリエスに光を当てた。
暴力とファナティックな人間像を描くのが持ち味の監督が、なぜ児童向け作品でしかも3Dとは思ったがなるほどと納得させられた。
3Dになったのも映画は見世物というルーツがあるからなのだ。
映画の黎明期にはつらつとしてトリック映画を開拓していくメリエスとメリエス自身が作り上げた撮影所の再現はノスタルジックを超えて人間のいとおしさを感じた。
映画にどっぷりつかっていた監督ならではの映画愛に溢れている。

  

原題は『HUGO』であり、不思議な発明という邦題については意味不明!
なにを発明したのだろうか?ポンキッキ版トリック映画もあるのだ。(ダブルトリックか!)ブログランキング・にほんブログ村へ
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