日米開戦70周年と黒澤明の『虎 虎 虎』
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戦前の記憶がある人は75歳以上の人ということだ。
黒澤明の師匠、山本嘉次郎監督は真珠湾攻撃1周年記念として『ハワイ・マレー沖海戦』を監督した。
一年後のこの日に公開し、国民は熱狂し戦意高揚映画として大成功をおさめた。
特撮部分の円谷英二の功績は特筆すべきもので、国を挙げての映画製作は内容の良し悪しは別として数段の技術進歩を果たした。
すでにこの時にはミッドウェイ海戦などで敗北の道を歩み始めていたにも関わらずこの映画に興奮した。
そんな日米の関係はその後の黒澤明の『トラ!トラ!トラ!』事件に因縁めいてつながっていく。
今年の12月8日よりボイジャーという電子書籍が黒澤明の『虎 虎 虎』準備槁を無料で公開した。
200字詰め960枚の長大なシナリオで未公開の貴重なものだ。
ボイジャーでは、東大大学院の浜野保樹教授の調査で見つかった、米映画芸術科学アカデミーのマーガレット・ヘリック図書館に収蔵されていた「虎虎虎(準備稿)」を入手。
電子書籍化し、70年前の1941年に真珠湾攻撃が行われた8日から無料で公開した。
黒澤監督が小国英雄氏(1904〜96年)、菊島隆三氏(1914〜89年)と共同で執筆したシナリオは、米側の手は入っておらず、
太平洋戦争へと日本が至った背景など、黒澤監督の戦争への視点が分かるシナリオになっている。
浜野教授による「解説『虎虎虎』 根本的には悲劇であることが土台だ」も同時に公開。
無念のうちに降板した黒澤監督の心境や、幻となっていた脚本がどのようにして再発見されたかを紹介している。
http://www.voyager.co.jp/hodo/111201_press_release.html
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