『牛乳屋フランキー』『砂の上の植物群」

中平康−日活デイズ−　シネマヴェーラ渋谷（9/24-10/14）
才気走る！とはまさに中平康監督のことを指す。
『牛乳屋フランキー』は日の出の勢いだった日活映画の余裕！
日活映画を頓活映画として、太陽族映画などセルフパロディの連発は空前絶後ではないか！
『砂の上の植物群』は才気が走り過ぎて観客の頭上を通り越してしまった。
女子高生との情事、ＳＭ嗜好、近親相姦疑惑、のぞき見、痴漢など、
その後の日活ロマンポルノにつながっていく題材をモダンに、観念的に描いている。
エレベーターでの抱擁は極めて印象的なラストシーンだ。

『牛乳屋フランキー』のフランキー堺の二重合成、
『砂の上の植物』のパートカラー。
何気ないところだが当時としては手間と労力がかかったと思う。
鈴木清順監督の『野獣の青春』も最初と最後に薔薇の花の着色があった。
現像が大変ではないの？
ちょっとしたこだわりに凝った映像を作り出すのは当時の日活アルチザン！

『牛乳屋フランキー』
監督:中平康　脚本：柳沢類寿、西河克己、中平康　原作：キノトオル、小野田勇　撮影：姫田真佐久
出演：フランキー堺、市村俊幸、小沢昭一、南寿美子、利根はる恵、中原早苗、宍戸錠、坪内美詠子
1956年（S31）／日活／白黒／84分

『砂の上の植物群』
監督:中平康　脚本：池田一朗、加藤彰、中平康　原作：吉行淳之介　撮影：山崎善弘　音楽：黛敏郎
出演：仲谷昇、稲野和子、西尾三枝子、小池朝雄、島崎雪子、信欣三、岸輝子、高橋昌也
1964年（S39）／日活／パートカラー／95分

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村