東京国立博物館の特別展『孫文と梅屋庄吉〜100年前の中国と日本』に行った。
孫文(1866-1925)が中心的な役割を果たした辛亥革命(1911年)から100年目の節目の年。
孫文を物心両面にわたって手厚く支援した梅屋庄吉(1868-1934)との関係をクローズアップした展示である。
梅屋庄吉は、日活(日本活動写眞株式会社)の創業者のひとりもあるが、活動写真で得た富で孫文の革命を資金援助していたことは最近になって注目され始めた。
宋家の三姉妹で二女の宋慶齢は、梅屋夫妻のとりなしで梅屋家で孫文と結婚した。
ちなみに長女の宋靄齢は大財閥の当主孔祥熙と、三女の宋美齢は後の中華民国総統蒋介石と結婚し、「一人は金と、一人は権力と、一人は国家と結婚した」と言われた。
展示された写真により、中国革命家たちは、当時日本に頻繁に行き来し、日本人との深い交流がうかがえる。
但し、記念写真の説明だけでは、孫文と梅屋庄吉の関係をうかがうには物足りなかった。
梅屋庄吉は、自分の全財産を投じてでも、孫文や中国革命を支援に駆り立てた情熱とはなんだったのか?
明治維新後、日本だけに収まらず、アジアまで広がっていった日本人の精神構造は、
悪くいえば、侵略になり、敗戦後の高度経済成長につながっていったように思える。
梅屋庄吉から当時の日本人のケタ外れのスケールと危ういロマンを期待した。
展示では、梅屋庄吉が孫文亡き後、なけなしの財産で作ったといわれる孫文の銅像の写真が確認できた。
少し前に観たNHKドキュメンタリー番組によると、この6体の銅像は、文化大革命から難を逃れて現存する。
銅像を守る指示を出したのは、周恩来であった!
いまのこじれた日中関係をみると100年前の関係を振り返る意義は高いと思う。
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