『土と兵隊』神保町シアター
歩く歩く兵隊さん。
姿が見えない敵に出会えば、走り、地べたに這っても前進するのだ。
戦地の兵隊さんはお国のために頑張ってます。
でもここは中国大陸、前進することが領土拡大と喜ばしい事だったのだ。
火野葦平の従軍記が原作とあるが、役者も誰が主役というわけでもなく、ドキュメンタリー・タッチに生かされている。
銃撃戦のおびただしい弾薬量、じっさいの実弾機関銃がさく裂し、トーチカを攻略する。
後年の『プライベート・ライアン』等の戦争映画と同じつくりである。
155分の作品であるとのことだが、上映は120分。
難民のなかでの赤ん坊のエピソードなどか中途半端であったが、戦後GHQで没収カットされたのか?
(カットされた理由は不明、推測にすぎない)
田坂具隆監督は、終戦の年に召集され、郷里の広島の部隊で被曝する。
戦後は、太陽族映画でデビューした石原裕次郎が一転した好青年を演ずる『乳母車』『陽のあたる坂道』などを監督する。
本作品は、太平洋戦争の2年前の貴重な映画だ。
監督:田坂具隆 原作:火野葦平 脚本:笠原良三・陶山 鉄 撮影:伊佐山三郎・横田達之
音楽:中川栄三 美術:柴田篤二 1939/日活多摩川(119分)
出演:小杉勇・井染四郎・菊池良一・長尾敏之助・東勇路・山本礼三郎
- 作者: 火野葦平
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