『三等重役』京橋フィルムセンター
「三等重役」とは、サラリーマン重役のことで、先代の社長が公職追放(パージ)で代わりに社長を務めている。
この社長の河村黎吉がとても良い。
先代社長が復帰すると聞けばしょんぼりするが、社員に対しては、仕事に厳しいが、人情味にはあふれている。
社長シリーズの先駆けとなるべくして生まれた作品である。
戦争が終わって、会社やサラリーマンに夢があった時代なのだ。
森繁久彌は、浦島太郎という人事部長で、スリムで銀縁眼鏡をかけて、なかなか有能で抜け目ない役柄。
小林桂樹は、まだ独身の社長秘書である。
森繁、小林共に若く、あらためて長寿を全うしたと思う。
地方都市の一流企業といわれる会社が舞台なのだが、海が見える高台の社長宅が素晴らしい。
いかにも日本の地方都市のパノラマ的眺めなのだ。
映画のラストで、この社長宅に、小林桂樹が自分の結婚の仲人依頼にやってくる。
ほのぼのほのぼの!
製作: 藤本真澄 監督:春原政久 原作:源氏鶏太 脚本:山本嘉次郎、井手俊郎 撮影:玉井正夫 美術:北川恵笥
出演:河村黎吉・沢村貞子・森繁久彌・千石規子・小林桂樹・大泉滉・進藤英太郎・越路吹雪 1952/東宝(99分)
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