シネマヴェーラ渋谷で「ATGの光芒」特集上映
『田園に死す』『原子力戦争Lost Love』2本立てを鑑賞。
ATGすなわち日本アート・シアター・ギルドの映画。
70年代より映画を見始めた世代である自分には、ニューシネマからパニック映画へハリウッド映画が復活してきたアメリカ映画のきらびやかに比較して、
暗くジメジメした邦画の代名詞のようでもあり、敬遠気味だった。
予算1000万映画もみすぼらしいという差別意識も正直あった。
昨年、フィルムセンターで『心中天網島』を再見したが、その表現力の素晴らしさに、最初観たときは何を観ていたのかと自分の見識のなさに呆れた。
『田園に死す』は公開当時話題になっていたので観ていた。
内容はほとんど覚えていなかったが、部分部分を強烈に覚えていた。
ラストの新宿駅前広場は、いかにも寺山修司のATG映画らしさですね。
『原子力戦争Lost Love』は未見だった。
公開当時もタブーを描いた作品と一部話題になったが、暗い題材で、ほとんど黙殺された。
福島原発のストーリーを逸脱した突撃撮影は、おかしみとともに今思えば象徴的な撮影だ。
黒木和雄は、その後素晴らしい作品を残していったが、亡くなってしまったのが何より残念だ。
原田芳雄は、いつも通りのワイルドさ全開。(闘病が話題になったが復帰して欲しい)
山口小夜子のあやしさはなんだろう?こんなところに人妻として存在する不思議さ。
山口小夜子の対極として、風吹じゅんがまだ清純派女優だ。
岡田英次博士のとうとうと語る仮説は、今となってはうらめしい。原子力戦争後に我々は生きていく。
原田芳雄らを、葬った原発の海は津波となって原発を破壊しに来た!
海から捉えた原発の姿がリアルだ。
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