Like a bird, like a cat, like a fish?

映画・落語・写真・ダイビングを中心としたお気楽人生ブログです。

映画界では東映のドンともいえる岡田茂名誉会長が5月9日に亡くなった。

たまたま東映の任侠路線の決定版ともいえる加藤泰の傑作がシネマヴェーラ渋谷で上映中だ。
キネマ旬報7月上旬号では、「欲望する映画 カツドウ屋 岡田茂の時代」として追悼特集。
まず表紙が、萬屋錦之介高倉健がドスを構える「日本侠客伝」の写真で、この日本最古の映画誌の読者層が判る。
良くも悪くも東映というひとつの邦画路線のレールを築き上げた親分の業績が振り返れた。
映画は当たらなければ意味がない、特集の見出しの通り”反戦から時代劇、任侠、実録、エログロまで”ひとつ当てると鉱脈を掘り続けた。
この映画路線の隆盛はせいぜい10年という自覚をもって東映を引っ張ってきたというのが良くわかった。
いまでは、映画の撮影所は貸しスタジオと化し、映画界への影響力などなくなったが、当時の撮影所所長の役割と権限もはっきりしている。
岡田茂を知る映画人の証言も興味深かった。
澤島忠監督の証言によると、最初のプロデュース作品「きけ、わだつみの声」の映画化のとき、企画交渉で単身母校の東大に乗りこみ、東大学生自治会に交渉する。
対する自治会会長が読売のナベツネ、副会長は日テレの故氏家会長で、「天皇批判がなければ、映画化は認めない」だったが、
「なにを言う!渡辺!!」と食下がり映画化を実現させた。
高岩淡元社長の証言では、「柳生一族の陰謀」の初日、萬屋錦之介岡田茂がパーティーになかなか現れないので探すと、
電話で錦之介の母に大ヒットの報告をしていて、二人で男泣きをしていた。
不祥事で干されていた五社英雄監督を起用して「鬼龍院花子の生涯」は大ヒット。
五社英雄監督も大ヒットの初日に男泣き。
なんか映画に賭ける男たちの姿は美しいな〜。
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