Like a bird, like a cat, like a fish?

映画・落語・写真・ダイビングを中心としたお気楽人生ブログです。

マイ・バック・ページ』丸の内TOEI
川本三郎の著書は新刊のたびに欠かさず読む。
キネマ旬報にある連載もまず最初に読むほどのファンである。
とくに自分自身の朝日新聞社に就職し、若き日の挫折を綴った本著は、ヒリヒリ胸が痛くなる痛切な心情の告白に共感を覚えた。
どう映画化されるかハラハラしながら観たが、著書の核心である若さゆえの純粋さと未熟さ、理想と挫折が描かれ良かった。
また最初と最後のエピソードにより映画独自のドラマとして引き締めていた。
主人公の妻夫木の男泣きがこの映画の核心だ。
この映画は、妻夫木聡松山ケンイチありきでなければ成立しない企画だと思う。
若いカップルが観終えて、「なんだか盛り上がらない地味な映画だね〜」と戸惑っていた。
このような企画を通すのは容易ではないだろうが、勇気のあることだ。
観客も眼を肥やそう。
妻夫木聡×松山ケンイチ以外のキャスティングも面白い。
あまり知られていない俳優を起用しているのが新鮮で効果的であった。
音楽の使い方の上手さなど、山下敦弘監督のセンス光る。
監督もスタッフも知らない団塊の世代の若き日々の時代なのだが、違和感なく見れた。
当時の時代の空気感を出すのは中々難しく、評価の別れるところであろう。
山下敦弘監督などの新世代が、今後日本映画を変えつつあることを期待する。

マイ・バック・ページ - ある60年代の物語

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