Like a bird, like a cat, like a fish?

映画・落語・写真・ダイビングを中心としたお気楽人生ブログです。

神保町シアターは今月もいい企画です。

特集-華麗なるダメ男たち〜色男、金と力はなかりけり〜
日本映画の中には金にも女にもダメなだらしのない男はよく描かれています。
夫婦善哉」の森繁久弥
「洲崎パラダイス 赤信号」の三橋達也
「晩菊」の上原謙 
など日本映画の愛すべきダメ男のオンパレード!
成瀬巳喜男監督の「杏っ子」は初めて観た。
作家(山村聡)の娘・杏子(香川京子)は文学青年の亮吉(木村功)と結婚するがやがて夫との生活は崩壊する。
立派すぎる父娘に対する劣等感から結婚後徐々にすさんでいくダメ夫ぶりが凄い。
結婚する前に杏子の縁談の男(土屋嘉男)は軍隊時代に一緒だったが不潔なところを見たと父娘に告げて、自分の結婚にもっていくところから嫌な男だ。
文学で身をたてたいと思うが、世間では認められない。才能がないということなのだか酒びたりになり、認められない腹いせと嫉妬心に妻と義父を呪う。
香川京子が演じる妻は辛抱強く、離婚しようなどとは決して言わず、ピアノを売り、内職をし、質屋に通い、ダメな夫との結婚生活をなんとか続ける。
生活が出来なくなって、一時妻の実家に夫婦で居候するのだが、離れの向かい側に寛大な義父がいて、この環境では酔っ払って庭を目茶目茶にしてしまうのも解らないでもない。
結局、妻は夫のもとに帰るラストでなんの進展もないまま終わるのである。
観ていて身につまされたが、こうゆう日本映画は面白いなあ。
加藤大介、小林桂樹がチョイ役だがいい味だしていた。
1958 東宝 監督/成瀬巳喜男 原作/室生犀星 脚本/田中澄江、成瀬巳喜男
出演/木村功 香川京子 山村聡 夏川静江 中村伸郎
杏っ子はDVDにもなっていないようだ。

夫婦善哉 [DVD]

夫婦善哉 [DVD]

洲崎パラダイス 赤信号 [DVD]

洲崎パラダイス 赤信号 [DVD]

[rakuten:netito:10058832:detail]