「第五福竜丸」調布映画祭2011

映画のまち調布と称して長らく毎年３月に映画祭をやっている。
調布にある映画会社の日活と大映（角川か）に気を使っているのか「沈まぬ太陽」の上映をメインにして、ゲストトークショーにエースのジョーこと宍戸錠さんを呼んでいる。
一方で「本多猪四郎生誕100年〜ゴジラに神を宿した男〜」という佐原健二、水野久美、久保明のトークショーもあり、かえって特徴のない映画祭である。
「第五福竜丸」は「原爆の子」と併せてグリーン・ホール小ホールといった公民館上映だった。「ゴジラ」に重ねての特集なのでしょうか？
「第五福竜丸」は夢の島に記念館として展示された実物を見てから、かねてより観たかった作品。
マグロ漁のドキュメンタリータッチの描写からビキニ環礁での被ばくの様子など独立プロとしての気骨のある映像展開、久保山さんが亡くなってから遺骨となって家族が故郷に帰る先々で人々が黙とうを捧げていく描写が当時の原爆許すまじという日本人の祈りとして心を打った。
1959近代映画協会　監督:新藤兼人　出演:宇野重吉　乙羽信子　稲葉義男　殿山泰司