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森繁久彌が亡くなった日

森繁久彌が亡くなった日
「台所太平記」〔1963〕を神保町シアターで観る。
谷崎潤一郎の原作の喜劇というのが興味をひく。
森繁久彌が谷崎らしき大作家の主人公、大作家の家を舞台に、
家をまかなうお手伝いさん(女中といえなくなったナレーションがはいる)の年代記。
ちょっと好色の好々爺を演じる森繁、世話をするお手伝いさんが豪華、森光子、乙羽信子京塚昌子
淡路恵子水谷良重大空真弓池内淳子中尾ミエ、団令子の面々。
フランキー堺三木のり平山茶花究西村晃松村達雄小沢昭一も出演している。
オールスター映画は今見ると艶やかで楽しい!特に森繁の妻を演じる淡島千景が絶品!
ラストシーンで年老いた夫を支えて神社の石段を上がる妻、お手伝いさんを送りだし、
小さな二人の家で余生を過ごそうとする夫婦の姿が印象的。
森繁久彌淡島千景の夫婦は「夫婦善哉」が有名だが、この作品はDVDも未発売。
日本映画は過去にまだまだいろいろな発見がある。(自分にとって)
思い出したこととして、
森繁久彌は父の勤めていた会社の社長と瓜二つのそっくりだったこと。
父と社長のツーショット写真を見て「何で森繁と一緒に写真写っているの」と子供のときに
今は亡き父に聞いたことを思い出した。
社長シリーズがヒットしていた頃、社員であった父や会社の人たちはどう思っていたのだろうか。
昭和も遠くになりにけり。
森繁さん、さようなら。