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映画・落語・写真・ダイビングを中心としたお気楽人生ブログです。

立川流 三人の会 紀伊国屋ホール

高田文夫ドリームプロデュースVOL.1〜
 高田文夫の呼びかけによる立川流の看板、立川志の輔立川談春立川志らく3人の初顔合わせによる楽しい一夜であった。
 高田文夫のヘタウマな落語で始まる。古典落語のネタは受けないといいながらシャレのめすが案外観客に受けていた、これからの登場する3人への期待からだ。
 3人の登場、初顔合わせというのも意外だか、立川志の輔の一年半後輩が、立川談春でその一年半下の後輩が立川志らくだそうである。ちなみに志らく高田文夫の落語に通い続け、高田文夫立川談志師匠の落語に紀伊国屋ホールへ通い続けたそうである。
 志の輔師匠先輩であるが為か言葉少ないところを高田文夫に突っ込まれる。ジャンケンで高座の順番を決める。
 最初は立川談春ですぐに演目に入り、講談調の「鈴が森」。この人の古典落語はきっちりとしていて心地よい。正統な古典落語を受け継いでいく噺家だと思う。
 志の輔師匠はジャンケンが弱くてよかった。立川志らくが負けてトリになったらかわいそう。志らくジャンケンに勝って2番目でよかった。演目は「お直し」。志らくの落語は初めて聞く。大学の落研などで郭噺をやるとウソくさくなると最初に言っていたが、志らく日大芸術学部出身で自分のことをいっていたのだとわかる。談春の芸風と比較すればやはり談春先輩はやはり格上だ。
 そして、トリは志の輔師匠で、家元である談志師匠のネタと兄弟子だったダンカンのことをまくらに、演目は「抜け雀」。一文無しの絵師が泊まった宿に、宿代代わりに絵を描く。その書いた雀が明け方、餌を求めて絵から抜け出す。その絵の素晴らしさが評判になり・・・うーんやはり見事な噺でした。
 絵から抜け出した雀のことを表現する宿主のドタバタから、絵を描く絵師の筆裁き、更にその上をいく絵師の父親である狩野派の名人、それぞれの人物表現が見事で最後に感動に結びつく。
 演目の終了後、3人揃ったところで、やはり来ていました家元が。期待していたのですが、サプライズでした。志の輔師匠が審査委員長の登場ですと言ったのが笑える。
 立川談志師匠は、志の輔師匠の噺を聞いて、「もはや志の輔は、古今亭志ん朝を超えた。志ん朝に聞かせてやりたい。それが志ん朝に対するはなむけだ。」とも言った。
 志ん朝の落語が聞けない今、志の輔談春志らくらが家元の後落語を引き継いでもらいたいとの期待をこめた最大のはなむけの挨拶で締めくくった。
−演目−
「道具屋」 高田文夫
「鈴が森」 立川談春
「お直し」 立川志らく
「抜け雀」 立川志の輔