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 「シン・シティ」 新宿・ミラノ座

またもアメコミ物で劇画タッチそのものも映画ということで期待せずに観たが、予想外に面白かった。
ロバート・ロドリゲス監督ごのみのバイオレンスとSEXと猟奇趣味が溢れた映画だが、白黒墨絵タッチの劇画をそのまま俳優に演じさせる特殊な凝った映画だ。
スターウォーズ」シリーズに始まるデジタル映像の進化は、背景はすべてCGでカバーして、画面はすべてはめこみの画像世界でパーソナルな世界を表現できる。
そこでロドリゲス監督は、劇画の原作者フランク・ミラー本人に共同監督を申し出て、原作通りの「シン・シティ」という世界を創り上げた。
監督協会に加盟していないフランク・ミラーを起用したことで、ロドリゲス監督は協会脱退というリスクを背負い込んでも製作したことはえらい。これからの映画は、よりパーソナルな表現媒体になると見込んだからなのか。監督自身もジョージ・ルーカスのように個人スタジオを出身のテキサスにもち映画製作の拠点としている。(ジョージ・ルーカスも監督協会は脱退している。)
映画の面白さは、豪華な配役陣にも表れている。ブルース・ウィリスの相変わらずのタフぶりは映画の華だが、短編集のようにつながっているなかで、それぞれ主役を張ったミッキー・ローク(復活!)、クライブ・オーエン(新007に適役に思えるのだが)のタフぶりも良い。女優陣の大暴れも見もの。ベニシオ・デル・トロ、パワーズ・ブース、マイケル・マドセンらの悪役ぶりの充実も楽しめた。なかでもイライジャ・ウッドの怪物ぶりは驚き、「ロード・オブ・ザ・リング」のフロド様の後よくこんな役やるよな〜。

ロバート・ロドリゲス監督と原作者フランク・ミラー