「オペレッタ狸御殿」新宿ピカデリー
80歳を超える鈴木清順監督と美術監督の木村威夫が再度タッグを組み21世紀の映像に挑む。その挑発的なこと!チャン・ツィイーとオダギリジョーという売れっ子スターを主役にしたものの、描くはレトロなオペレッタ。予想通り、いわゆる映画の巨匠の風格というものは、更々なく、自由な発想。言い換えればいい加減さ!
セットは、いかにも人工的な映画セット。背景は書き割り画。ロケは曇り空でお寒い風景。いかにもお金ありませんよと示している。
しかし、作り手の発想を、鑑賞者がどう捉えるかによって変わってくる。映画は一瞬一瞬のつながりだから、80歳を越えてもその一瞬を生み出そうという創造力のエネルギーに敬意を表する。
鋳物の蛙だって、本物の極楽蛙といえばそう思うしかない。