Like a bird, like a cat, like a fish?

映画・落語・写真・ダイビングを中心としたお気楽人生ブログです。

「円生と志ん生」こまつ座

トラになった猫

我が家の愛猫ごんちゃんが最近空咳をよくするので、掛かりつけの獣医に診てもらうことにする。
病院にいくためにゲージを取り出すとすぐにごんちゃんは警戒してテーブルの下に隠れる。ごんちゃんは病院が大きらいなのだ。長女猫のみみちゃんは、ゲージをみると興味をもって逆に擦り寄ってくる。
なんとか騙して捕まえて、ゲージに入れて病院にいく。アビシニアンはあまり鳴かないネコだが、ごんちゃんはやたらと悲しげに鳴く。
病院では、先生を見るなり、いきなり「シャー、シャー」と威嚇する。
気管支炎の疑いがあるとのことで、レントゲンを撮ることになった。先生と助手さんと二人掛かりでレントゲン室に連れて行くと、「ガオー、ガオー」とごんちゃんは今までにみたことのない野獣に変わっていた。
先生は思わず「鎮静剤!」と怒って対応し、注射を打たれる。鎮静剤が効き始めて後ろ足が動かなくなってくるが、それでも野獣の叫びと前足で抵抗してレントゲン台から転げ落ちて抵抗する。
オロオロと見守るなかで、ようやく撮影を終えた。
レントゲンの結果は異常なし。
ネコの気管支炎や肺炎は、よくあるらしいが、ごんちゃんには今のところ兆候なしとのこと。
ちなみに花粉症はあるのかと聞いたら、まだ実証されていないとのことだ。
野生本能を発揮し、鎮静剤まで打たれてぐったりしたごんちゃんを、またゲージにいれて連れて帰る。

新宿にでかける。
紀伊国屋書店の地下を通ると5メートルごとに警備員が立って物々しい気配、一階に出ると外に黒山の人だかり、どうやらビル・クリントン前アメリカ大統領が紀伊国屋書店で自伝著書「マイ・ライフ」のサイン会を行うらしい。
世界の中心でVIP待遇だった人が、こんな雑踏のなかでサイン会を行うことに違和感を感じて野次馬になったが、なかなか車が到着しないので立ち去る。2300年前に世界の中心にいた人を描いた映画「アレキサンダー」を新宿ピカデリーで観るからだ。
マイライフ クリントンの回想 MY LIFE by Bill Clinton 上

その後、紀伊国屋書店に戻り、紀伊国屋ホールでこまつ座「円生と志ん生」を観劇する。
終戦時に満州・大連に取り残された噺家の円生と志ん生の出来事を描いた井上ひさしの新作戯曲。戦時下と戦後の混乱のなかで生きてきた日本人を描いて日本の平和の在り方を問う井上ひさしの連作だが、戦争と落語という題材がすこぶる良い。苦しい生活のなかで笑いのもたらす効果や落語が近代文学の基礎にあることなど笑いの文化論に言及する。
円生の辻萬長志ん生角野卓造の二人とも好演。