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劇団民芸「火山灰地 第一部」

劇団民藝の「火山灰地 第一部」を東京芸術劇場で観る。
初演から67年、前回上映から44年(1961年)ぶりの上演。登場人物は80名を超える。
日本演劇史に記されるリアリズム戯曲の名作!
とうたわれ、ココロシテ観る!が・・・
まず最初からつまずいた。登場人物のしゃべる台詞が判らない。1930年代当時の北海道の社会背景が台詞だけでは理解できないのだ。登場人物も多すぎて掴みきれない。
休憩が入ったのちに、ようやく対立構造(大地主VS小作人 大資本の搾取と抵抗 伝統と改革 信仰と科学等)が明らかになって、これから広がっていくのかなというところで終了し、3月の第2部をご覧くださいとなった。
終戦の7年前にこの作品が演じられて、当時から主人公を演じた滝澤修は一目置かれていたらしい。
日本映画の大美術監督木村威夫さんは、当時二十歳で築地小劇場でこの舞台美術を手伝ったとの事を聞いた。
戦中と60年安保時代の社会背景との大きな違いのある現代に、この芝居を行うことの意義はなにか?
奈良岡朋子の演じる高利貸のおばばは、黒沢映画に出てきそうなキャラクターで良かった。