*忠臣蔵
師走となれば忠臣蔵の季節である。
NHK-BSで放送された「忠臣蔵」<昭和33年・大映>を録画しておいたので、夜中に観る。
長谷川一夫の大石内蔵助、市川雷蔵の浅野内匠頭、滝沢修の吉良上野介、その他鶴田浩二、勝新太郎、京マチ子、山本富士子のオールスターキャストで166分の大作である。
さすがは時代劇の大映だ。セットは豪華絢爛、夜のシーンや雪のシーンなどには今では表現できない艶やかさを感じた。まさしく日本映画黄金時代の絶頂期の製作である。
ところで、映画の中のせりふだが、時々何を話しているのか判らなくなるときがあった。時代劇だが、当時は誰にでも判ったであろうせりふまわしである。今の若者が観たらかなり意味不明に思われるところがあるのではないか。
身近にあった物はどんどん消えては変わって行き、しゃべり方も大きく変わって行った。
江戸時代から明治、昭和の初期にかけての戦争と激動の時代より、むしろ戦後から平成にかけての50年が最も大きく変貌し、失ったものも大きかったのではないか?
昭和30年代ブームは、そんな意味で根深くまだ続くように思われる。